ダイアトニックコード と その役割

おしながき


満を持してダイアトニックコード。

と、言っても メジャー・マイナーのスケール上に
コードを当てはめていくだけだから簡単簡単。

あとは、
それぞれのコードの機能見て、有名な進行と照らし合わせつつ、
余裕がある人は実際に楽器を鳴らしてみると
たぶん、なんとなーくその雰囲気はつかめるはず。
「あ、ああ…この感じね…。わかるわかる()」
みたいな試行錯誤が大事だと信じてる派


ダイアトニックコード


その前におさらい。

ダイアトニックコードとは…
ダイアトニックスケール上のそれぞれの音を根音として、
”ダイアトニックスケール上の音のみ”で作った3度堆積の和音、のこと。

例えば、Cメジャースケールの場合
” C “を根音にすると
C(Root)、E(M3)、G(P5)、B(M7) → C△7

” D ”を根音にすると
D(Root)、F(m3)、A(P5)、C(m7) → Dm7

…みたいに、それぞれコードができていく。

あとは、
スケール上の7つの音についてコードを作って
それぞれがどんなコードか見ていこう、ってこと。


メジャースケール

”Cメジャースケール”のダイアトニックコードを下に示すと、


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図中のローマ数字大文字は
スケール上の第何音を根音にしたコードか、を表していて
キーが変わったりしても、これで一般化できるということ。

例えば、
キーがCで長調(つまりCメジャー)なら、
I△7 は C△7 だし、V7 は G7 になり、

キーがFで長調(Fメジャー)なら、
Ⅳ△7 は B♭△7 だし、Ⅵm7 なら Dm7 になるってこと。


読み方は
I△7 の場合は「いち メジャーセブンス」とか言うし、
セブンスじゃない三和音のⅠの場合は「1度の和音」とか言うし、
結構適当。


大事なのは、
スケール上の第何音を根音にするかによって、
「メジャーコード(M3)」か「マイナーコード(m3)」か決まり

さらに

「セブンス(m7)」か「メジャーセブンス(M7)」か決まるということ。

※Ⅶm7-5 の場合は5度も変わる特殊な例(Root、m3、dim5、m7)


おそらく図中赤字のローマ数字表記のコード名は丸暗記でもいいと思う。


マイナースケール

マイナースケールは
ナチュラル〜、ハーモニック〜、メロディック〜の3種あったので
それぞれ見ていく。

ナチュラルマイナースケール

”Aナチュラルマイナースケール”のダイアトニックコード


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ナチュラルマイナースケールは
メジャースケールの第3音、第6音、第7音をフラットさせた音階だから、
図中の ♭Ⅲ△7 とか ♭Ⅵ△7 みたいにローマ数字の左に「♭」をつける。

ただし、
ローマ数字表記だと左につけるけど、実際の和音だと音名の右につけたりする (例:Fナチュラルマイナースケールの ♭Ⅶ7 は E♭7 みたいな)。


Aナチュラルマイナースケールが
Cメジャースケールの第6音をスタートにしたスケールなので(平行調
この2つのスケールのダイアトニックコードも一致する。

余談

Aの音を根音にしたコードを比較してみると
ナチュラルマイナー〜だと、Im7 なのに対し
メジャー〜だと、Ⅵm7 みたいに、ローマ数字が異なる。

この後、コードの役割を見ていく時にこのローマ数字が大事で、
たとえ同じコードでも、メジャースケールのダイアトニックコードなのか
ナチュラルマイナースケールのダイアトニックなのかで役割が変わる。


メジャースケールのダイアトニックコード同様、
これも丸暗記でいいと思う。


ハーモニックマイナースケール

”Aハーモニックマイナースケール”のダイアトニックコード


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ナチュラルマイナースケールとの違いは
Ⅰm7 → Ⅰm△7
♭Ⅲ△7 → ♭Ⅲaug△7
Vm7 → V7
♭Ⅶ7 → Ⅶdim7 の4つ。


Im△7 とか ♭Ⅲaug△7 とかやたら難しいコードが出てきたけど、
そもそもハーモニックマイナースケールの生誕の理由は
「ナチュラル〜の ⅶ 音をシャープさせて、”導音”にしよう」で、

この導音ができた恩恵はメロディ単体の話に限ったことじゃなく、
上の青字で示した Vm7 が V7 に変わったこともそうなんだけど、
この話は後々…ね?


これは丸暗記せずに、
V7 があるよ、ってことだけ覚えればいいと思う。


ロディックマイナースケール

”Aメロディックマイナースケール”のダイアトニックコード

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ハーモニックマイナースケールとの違いは
Ⅱm7-5 → Ⅱm7
Ⅳm7 → Ⅳ7
♭Ⅵ△7 → Ⅵm7-5 の3つ。


ここでも、結局大事なのは
ナチュラルマイナー〜の Vm7 が
ロディックマイナー〜で V7 にできること。


これもハーモニックマイナー〜同様に、
V7があるってことだけ知ってればいいけど

もちろん、
ハーモニックマイナー〜やメロディックマイナー〜の
メロディーにコードを合わせる時は、これらのコード知ってて損はない、と思う けど覚えるのめんどいよね


コードの役割

コードの役割は

・トニック(主和音:T と書く)
ドミナント(属和音:D)
サブドミナント(下属和音:SD) の3つに大別できる。

メジャー・マイナースケール上のダイアトニックコード Ⅰ 〜 Ⅶ は
この3つのどれかにそれぞれ所属するよ、ってこと。

また、
メジャースケールのダイアトニックコードなのか、
マイナースケールのダイアトニックコードなのか、で
この役割が微妙に変わってくるので注意。


トニック(主和音)


曲の初めや終わりに使われる、最も安定感・落ち着きがあるコード。

メジャー・マイナー関係なく、
「Ⅰ」を根音とするものがトニック

つまり、
メジャースケールの Ⅰ△7
ナチュラルマイナースケールの Ⅰm7(Tm:トニックマイナーとかいう)
がそれにあたる。

それ以外にも
メジャースケールの「Ⅲ」、「Ⅵ」を根音とするもの
マイナースケールの「♭Ⅲ」を根音とするもの
もトニックと同じ機能を持っている。

このとき、
Ⅲm7 や Ⅵm7 や ♭Ⅲ△7 のことを「代理コード」という。

構成音を見てみると、
例:Cメジャー
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例:Cナチュラルマイナー
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このように代理コードは
構成音が似ているためトニックみたいに使えるよ、ってこと。


ドミナント(属和音)


不安定な響きを持つがゆえに、トニックへと解決したくなるコード。

メジャースケールの「Ⅴ7」、

マイナースケールの場合は、
ナチュラルマイナー〜には無し
ハーモニック・メロディックマイナー〜の場合は「Ⅴ7
が、これにあたる。

Ⅴ7が不安定なのには理由があって、
その構成音を見ていくと、
M3 と m7 の間隔が増4度(2全音 + 2半音 = 3全音)になっているのが原因。

この3全音のことを「トライトーン」といい
短2度間隔の次に不安定な間隔なため、

この不安定さを解消するために
トニックなどの安定なコードへと解決しやすい
(D → T:ドミナントモーションという)という特徴を持つ。

そのため、
ナチュラルマイナースケールの「Ⅴm7(ドミナントマイナー)」は
この不安さが弱いのでトニックへと進行しても、
所謂「終った感」が少し弱くなる。
(それをあえて狙って Vm → Tmと進行させたりもする)


サブドミナント(下属和音)


それ自体で終止できたり、トニックとドミナントを繋げたり
マルチに使えるコード。

メジャースケールの Ⅳ△7、
マイナースケールの Ⅳm7(SDm:サブドミナントマイナー)がこれにあたる。

また、
メジャースケールの場合は Ⅱm7 が、
ナチュラルマイナースケールの場合は Ⅱm7-5、♭Ⅵ△7、♭Ⅶ7
が、その代理コードになる。

余談

メジャースケールだと「Ⅵ」が根音のコードも
トニックの代理になるのに
マイナースケールだと何でダメなの?

それは、
マイナースケールの ⅵ音から ⅴ音への動きが
半音下行でなめらかに繋がるため
(SDm → D → T :サブドミナント-ドミナントモーションという
 この流れができやすくなる)、
トニックよりはサブドミナントとしての機能のほうが強い、
って言う理由だよ。



まとめ
  • メジャースケール上のダイアトニックコードは、
    Ⅰ△7、Ⅱm7、Ⅲm7、Ⅳ△7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7-5

  • ナチュラルマイナー〜上のダイアトニックコードは、
    Ⅰm7、Ⅱm7-5、♭Ⅲ△7、Ⅳm7、Ⅴm7、♭Ⅵ△7、♭Ⅶ7

  • ハーモニック・メロディックマイナー〜のダイアトニックコードは
    たくさんあるけど、どちらもⅤ7を作れるのでドミナント終止をとれるよ。

  • トニック(主和音)

    • メジャースケールだと、Ⅰ△7、Ⅲm7、Ⅵm7
      ナチュラルマイナー〜だと、Ⅰm7、♭Ⅲ△7 だよ。

    • とくに、マイナー〜の場合はTm(トニックマイナー)というよ。

  • ドミナント(属和音)

    • メジャースケールだと、Ⅴ7、Ⅶm7-5
      ナチュラルマイナー〜には、無し
      ハーモニック・メロディック〜だと、Ⅴ5 だよ。

    • ナチュラルマイナー〜の Ⅴm → Ⅰm7 は
      ドミナント終始ほど強い終止感を得られないけど、
      あえて、このゆったりした終止感を狙うこともあるよ。

  • サブドミナント(下属和音)

    • メジャースケールだと、Ⅱm7、Ⅳ△7
      ナチュラルマイナー〜だと、Ⅱm7-5、Ⅳm7、♭Ⅵ△7、♭Ⅶ7 だよ。
    • とくにマイナー〜の場合はSDm(サブドミナントマイナー)とか言うよ。

  • コードの役割をさらにまとめると以下のようになるよ。

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まぁ冗長だよね。

セブンスコード

おしながき


満を持してダイアトニックコード

…とはいかずに”七の和音”の話をして焦らしていくスタイル。


七の和音(セブンスコード)

ダイアトニックコード上に現れる ”七の和音”について簡単に見ていく。


そもそも、ダイアトニックコードとは…
ダイアトニックスケール上のそれぞれの音を根音として、
ダイアトニックスケール上の音のみ”で作った3度堆積の和音、のこと。

つまり、
5度から見た3度の音が、
根音から見た7度の音(セブンス)になってるってこと。


メジャースケール、ナチュラルマイナースケールの
ダイアトニックコード上に出てくるのは
長三和音に長7度がついたもの(長七の和音)  → ◯△7 or ◯M7
長三和音に短7度がついたもの(属七の和音)  → ◯7
短三和音に短7度がついたもの(短七の和音)  → ◯m7
減三和音に長7度がついたもの(半減七の和音) → ◯m7-5 or ◯m7(♭5)
の4つだけ。


それぞれ簡単に見ていくと、
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長七の和音(◯△7 or ◯M7)

所謂「メジャーセブンス」。
明るく爽やかでシャレオツな音。
根音と長7度の半音がぶつかるけど思ったより気にならない。


属七の和音(◯7)

「セブンス」。通は「ドミナントセブンス」とか言う。
明るいけどどこか不安定。
この不安定さには理由があって、
その不安定がために主音を根音にしたダイアトニックコードとかに進行しやすい。


短七の和音(◯m7)

よく言う「マイナーセブンス」。
マイナーコードの暗さとセブンスのオシャレさと不安定さ。
親戚に”短三長七の和音(マイナーメジャーセブンス)”がいるけど、
この親戚の影の薄さが尋常じゃないので、
楽曲中のマイナーコードは全部適当にこれにしても、案外なんとかなる。


半減七の和音(◯m7-5 or ◯m7(♭5))

あんまり聞かない「マイナーセブンスフラットファイブ」とか
「マイナーセブンスフラットフィフス」。
通は「ハーフディミニッシュ」とか言う。
楽曲中のどこにこんな和音入れられるの?ってくらい怪しく聞こえる。
けど、このコードを上手く使うとめちゃめちゃシャレオツ。

「シャレオツ」とか「通は〜」とか頭悪そうなこと言ってる上に
よくわからないからごまかしてる感否めない。

余談

※ 注意
セブンスコードは言葉の使い方としてややこしいところがある。

例えば、
Cメジャーに短7度がついた時に、
「んーと、Cメジャーにセブンスだから…C”メジャー”セブンスだ!」
って言ってしまうと、

正しくは、
メジャートライアド(長三和音)に
セブンス(短7度)がついたコード、
つまりこの場合、C7(シー セブンス)を言いたいのに、

誤って、
メジャートライアドに
メジャーセブンス(長7度)がついたコード、
つまりC△7(シー メジャーセブンス)になってしまう。

だから
基本となる三和音が、
メジャートライアドのときは、”メジャー”とつけずに、
マイナートライアドのときだけ、”マイナー”とつけ、

そのトライアドに、
短7度がついた時に「セブンス」、
長7度がついた時に「”メジャー”セブンス」って言わないと
正しくコードが伝わらない時がままあるよ、っていう余談。

つまり、
逆にセブンスコードで”メジャー”って言う場合は、
すべて”セブンスがメジャー(長音程)”ってこと。
三和音がメジャー(長和音)という意味ではない、ってこと。

こういう話できる友だちがいない
私みたいなフレンズは気にしなくていいよ。


こういうこまかい記事たくさんと
長ーい記事1つだとどっちがいいんだろ。

読み詰まった時に、PCで見るにしても、
長ーい記事の最初の方に戻って見直す派と、別記事のタブ行ったり来たりする派で、分かれそう。

いずれにせよ、スマホのフレンズはサバンナに置いていくスタイル。

全音階(ダイアトニックスケール)

おしながき


四和音について考える前に

三和音は
根音・3度・5度からなる和音だった。

ここに、さらにもう1音加えたのが四和音で、
広い意味なら、4つ以上の異なる音名の音が同時になること、
狭い意味なら、根音、3度、5度、6度 or 7度が同時になること、
と定義されている。

三和音+ 何か1音 を四和音というけど、
一般的に”四和音”といったら、七(しち)の和音付加 六の和音をさす。

七の和音は、三和音に7度の音がついたもの、
六の和音は、三和音に6度の音がついたもので、

もちろん、
7度にも6度にも長音程と短音程があるし、
いままで見てきたように三和音には4種類があるから、
それだけ組み合わせがある。


たとえば、七の和音について見ていくと、

長三和音に長7度がついたものを”長七の和音” → ◯M7 or ◯△7
長三和音に短7度がついたものを”属七の和音” → ◯7
短三和音に長7度がついたものを”短三長七の和音” → ◯mM7 or ◯m△7
短三和音に短7度がついたものを”短七の和音” → ◯m7
減三和音に長7度がついたものを”半減七の和音” → ◯m7-5
減三和音に減7度がついたものを”減七の和音” → ◯dim7
増三和音に長7度がついたものを”増七の和音” → ◯aug7
 

… みたいに、目が痛くなるほどたくさんある。


ここで、
三和音みたいにそれぞれ和音単体をピックアップして見ていくのもいいけど、
「七の和音ってたくさんあってすごーい!でも、いつ使うんだろう?…」
っていう、フレンズになりそうだから、

演奏や作曲の中で
「この曲中だと、このコードはどういう役割なんだろう」
「このコードってこの曲で使えるのかなぁ …」
って、 自分で考えたときになんとなーくでいいからわかる、
ということを目指し、
その前段階として、音階の種類や機能について考えていくよ。
自分が、コード役割はなんとなーくしかわからないから仕方ないね。
ほんとはこの話を三和音のまえにやれば固有和音の話もできてよかったけど、
ミスった感ある。

あとから、「やっぱ三和音書いたアレの内容いじろうかな…」
みたいに、どーしても気になったら直そうそうしよう。

あと、他の記事でもなるべく気をつけてたつもりだけど
スケールと音階、メジャースケールと長音階、コードと和音とか
わりと同じ意味の英語と日本がごっちゃになってること多いけど、
なるべく英語で統一していくよ
(日本語の響きがかっこよくて、無理して日本語で言ってたほうが通っぽかったら
 日本語の方使います。つまり、ごっちゃです)。


全音階(ダイアトニックスケール:diatonic scale)」

七音音階(1オクターブに7音ある音階)で、
この1オクターブが 全音5つ+半音2つ” でできた音階(スケール)のこと。

全音階をダイアトニックスケール、
半音階をクロマチックスケール(1オクターブ全部が半音間隔の音階)、
全音音階(1オクターブ全部が全音間隔の音階)をホールトーンスケール、
とか言うけどでどうでもいいですよね

全音階には、
長音階(メジャースケール)短音階(マイナースケール)
あとは、教会施法による音階(よくわかんない)がある。


長音階(メジャースケール)」短音階(マイナースケール)」


例えば、次の図は
上がCメジャースケール
下がAナチュラルマイナースケールになっている
(なんでマイナーだけ”ナチュラル”とかついてるの?ってのは後述)。


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このとき、
メジャースケールとナチュラルマイナースケールで異なる点は、
全音と半音の位置である。

図中にも示したように
前者は、全・全・半・全・全・全・半
後者は、全・半・全・全・全・半・全
という並びになる。

余談

ここで注目してほしいのは、
Cメジャースケール上でAの音をスタートにして、
A、B、C、D、E、F、G …
と並べていくと、Aナチュラルマイナースケールと一致することである。

つまり、
メジャースケール上のある音をスタートにすると、
ナチュラルマイナースケールになるということである。

この時、
このメジャースケールとマイナースケールの関係を平行調という。

メジャースケールの第ⅵ音をスタートにする、
あるいはナチュラルマイナーの第ⅲ音をスタートにすると、
平行調のスケールと一致する。

これをメジャースケール基準に考えると、
第ⅵ音から始まるスケールなので”エオリアン・モード”とか言うけど、
”スケール”の話してたのに”モード”ってなんやねん!
みたいになるけど、ここらへんは私もよくわからないから後々ね、
一緒に頑張りましょう、っていう余談。
ここで別に平行調の話しなくてもよかった感あるのは否めない。


音階上の音の機能

音階中のそれぞれの音には、
下のように音階上での機能があり、

1つ目の音( i ←みたいにローマ字小文字で表す)に「主音」
2つ目の音(ⅱ) は「上主音」
3つ目の音(ⅲ)は 「中音」
4つ目の音(ⅳ)は下属音
5つ目の音(ⅴ)は「属音」
6つ目の音(ⅵ)は「下中音」
7つ目の音(ⅶ)は「導音」
と、それぞれ名称がつけられている。

下はメジャースケールの例。

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下はナチュラルマイナースケールの例。

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重要なのは、スケールがメジャーかマイナーかに関わらず、
第i音 は「主音」、第ii音 は「中音」…と決まっていること。

それぞれの機能を見ていくと、
「主音」…1番安定感のある中心の音。曲の始まりや終わりに使われる。
「上主音」…主音と中音を繋ぐ役割として使われる。
「中音」長音階短音階など、音階の性格を決める重要な音。
下属音…主音と属音についで音階の中心となる音。
「属音」…周波数比から、安定感のある主音と相性のいい大事な音。
「下中音」…中音ほどでないが音階の性格を決める。
「導音」…旋律を主音へと導く音。

作曲や演奏上の文脈では、
主に「主音」、「下属音」、「属音」、「導音」
って言う言葉しかほとんど使われない。

そして、
ここでナチュラルマイナースケールの第ⅶ音を「?」としたのは、
「主音の短2度下(半音下)の音で、半音上昇でなめらかに主音につながる音」
のことを「導音」というため、
主音から長2度下の音が音階上にあるナチュラルマイナースケールには
メジャースケールで言うところの「導音」が無い、ってこと。

じゃあ、
「ナチュラルマイナー(「自然的短音階」ともいう)の
 第ⅶ音を半音上げて導音にしちゃえばいいじゃん」

って、言ってできたのが、

イングヴェイが大好きで有名な
和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)」


和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)」


下がそのスケールの例。

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図中に示したように、第ⅶ音に#がつき
主音の短2度下の音になり導音として機能している。

そして、注目すべきは
第ⅵ音 - 第ⅶ音の間隔が”増2度”になっている点。

この増2度間隔が
ハーモニックマイナースケールのクラシカルな雰囲気を出してるのだけれど、
旋律的には歪で少し歌いにくいという側面もあって、

じゃあ、
「第ⅵ音も半音上げて第ⅵ音 - 第ⅶ音間の間隔を狭くすればいいじゃん」
って言ってできたのが、

旋律的短音階(メロディックマイナースケール)」


旋律的短音階(メロディックマイナースケール)」


下がそのスケールの例。

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図中に示したように、第ⅵ音に#がつき
第ⅵ音 - 第ⅶ音間隔が短2度になり、
ついでに、第ⅴ音 - 第ⅵ音間隔が長2度になった。

ここで、気づくのは
このメロディックマイナースケール、よく見ると
第ⅰ音 〜 第ⅴ音はマイナースケール、
第ⅴ音 〜 第ⅶ音はメジャースケールになっている。

つまり、音階の中に
メジャースケールの明るい部分と、
マイナースケールの暗い部分が両方
備わり最強に見える
あるってこと。
だから、ジャズとかで頻用されるらしい(よくわかんないけど)。

音階の頭のほうがマイナースケール、
お尻のほうがメジャースケールってことは、

例えば
頭 → お尻(上行形という)だとマイナーっぽくて
お尻 → 頭(下行形という)だとメジャーっぽくなるから

旋律単体で見た時は、
頭から音が上がっていく時はマイナーっぽいからいいけど、
お尻から音が下がっていく時はメジャーっぽさが出すぎるから、
上行形はメロディックマイナースケール使ってもいいけど
下行形はナチュラルマイナースケールつかいなさいよ

っていうルールがクラシックとかだとあるらしい(よくわかんないけど)。

ただ、
実際はバックに他の演奏が流れていて、
その演奏がマイナーっぽいならこの限りじゃないらしい
(よくわかんないけど)。

で、
ここまでマイナースケール3種を見てきたけど
実際の曲中ではナチュラル〜を基本にしつつ、
和音やメロディでハーモニック〜・メロディック〜を散りばめる

という使い方が多いらしい。



まとめ
  • 全音階」は七音音階で、全音5つ + 半音2つで1オクターブになる音階で、
    そのことを英語で「ダイアトニックスケール」と言うよ。

  • ダイアトニックスケールは大きく分けて、
    長音階」、「短音階」、「教会施法による云々」の3つがあって、
    私たちが普段慣れ親しんでるのは前者2つだよ。

  • ダイアトニックスケール上の音には、それぞれ「音階上の機能」があるよ。
    大事なのは、「主音」、「下属音」、「属音」、「導音」で
    音階の性格を決めるという意味では「中音」、「下中音」も大事だよ
    (つまり、全部覚えろや)

  • メジャースケールの第ⅵ音、
    あるいはナチュラルマイナースケールの第ⅲ音をスタートにすると、
    平行調」のスケールと一致するよ。

  • ナチュラル〜にはない「導音」を作るために、
    ナチュラル~の第ⅶ音を半音上げて、
    和声的短音階(ハーモニックマイナースケール)」が作られたよ。

  • ハーモニック〜だと第ⅵ音 - 第ⅶ音間隔が増2度になって、
    旋律み歪だし、歌い辛いらしいから
    ハーモニック〜の第ⅵ音を半音上げて、 「旋律的短音階(メロディックマイナースケール)」が作られたよ。

  • ロディック〜は、
    第ⅴ音まではマイナースケール、
    第ⅴ音からはメジャースケールと同じで、その両方が合わさり最強に見える っているよ。

  • ロディック〜は上行形と下行形で音階が変わるよ。

  • マイナースケールは3つもあるけど、
    基本はナチュラル~で、要所要所にハーモニック〜やメロディック〜を
    散りばめるらしいよ。

まとめ終わり
ホントはダイアトニックコードの話もしようとしてたけど、
クソ長くなって触れられなかった挙句、
文字ばっかで醜い見にくい記事ができあがったよ。
早くもこのブログがスペースデブリ化してきてるよ。


なかなか覚えること多い上に、
こういうのは実際に音出して
「あ、あぁ…こういう感じね…わかるわかる()」
みたいな試行錯誤を繰り返して、雰囲気掴んでいくのがアレだから
文字と五線譜だけだとすごいアレだよね。

そして、度数ちんぷんかんぷんなフレンズはサバンナに置いていくスタイル。

和音 三和音

おしながき


和音

そもそも和音って何?

それは、
広い意味なら、3つ以上の異なる音名の音が同時になること、
狭い意味なら、根音(ルート)、3度、5度、(7度)が同時になること、
と定義されている。

”三和音”、”四和音”など音名の数で分けられていて、
よく使うのはこの2種類なので、これについて書いていく。

和音についてまとめたかった! …とは言っても、
暗記しなきゃいけないことばっかだから些か退屈だし、
冗長な感あるのは否めない。


三和音

トライアド(triad)とも言われて、3つの音名の音からなる和音。

構成音は、根音・3度・5度で、
つまり、根音・根音から見た3度の音・3度から見た3度の音
になっているので、これを3度堆積とかいう
けど、どうでもいいですよね

もちろん、
3度の音には長音程・短音程があるし、
5度の音にも完全音程・増音程・減音程があるから、
三和音にはいくつか種類があって、
それぞれを長三和音・短三和音・増三和音・減三和音という
(実際には 2×3 = 6個の組み合わせがあるけど、よく使うのはこの4つ)。

Cを根音としてそれぞれ見ていく。


長三和音

下は、Cを根音とした長三和音(Cメジャー・トライアド or コード)。
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”C”と記譜される。

構成音は、C・E・Gで、
それぞれ、根音・長3度(M3とも書く)・完全5度(P5とも書く)となる。

音楽の授業で1番最初に習うドミソである。
それぞれの周波数比的にも非常に心地よく調和がとれている。


短三和音

下は、Cを根音とした短三和音(Cマイナー・トライアド or コード)。
f:id:naokichi1006:20170223104908j:plain ”Cm”と記譜される。

構成音は、C・E♭・Gで、
それぞれ、根音・短3度(m3)、完全5度(P5)となる。

メジャーコードと比較すると、
3度の音が短3度になっており、
そのため第3音と第5音の間隔が長3度になっている点で異なる。


増三和音

下は、Cを根音とした増三和音(Cオーギュメンテッド・トライアド)。
f:id:naokichi1006:20170223110419j:plain ”Caug”、”C+”と記譜される。

構成音は、C・E・G#で、
それぞれ、根音・長3度(M3)、増5度(aug5ともかく)となる。

根音から長3度離れた長3度音、その長3度音から長3度離れた増5度音、
また増5度音から長3度離れたところには根音(1オクターブ上)があり、
いくら転回しても同じ音程になる。

そのため、
長和音・短和音などはそれぞれ半音の数 12種類だけ作れるのに対し
(C、C#、D、D#、E …や、Cm、C#m、Dm、Em、E#m …など)、
増三和音はルートが変わっても、第3音がルートに変わったりするだけで
12 ÷ 3 = 4種類しか作れない
(CaugとEaugとG#augは同じ構成音になるため)。


減三和音

下は、Cを根音とした減三和音(Cディミニッシュト・トライアド)。
f:id:naokichi1006:20170223113540j:plain ”Cdim”、”C°”、”Cm♭5”、”Cm-5”と記譜される。
◯m-5(マイナーフラットファイブ)という名称をよく使う。

構成音は、C・E♭・G♭で、
それぞれ、根音、短3度(m3)、減5度(dim5ともかく)となる。

ダイアトニックコードとして、
長調におけるⅦ度の和音や短調におけるⅡ度の和音として使われる。
ノンダイアトニックコードとしては、
コード間をなめらかにつなぐ経過音として使われる。


余談

狭義の意味の三和音からは外れるけど、
次の三和音もよく使われる。

sus4(サスフォー、サスペンデッド・フォース)
下は、Cを根音とした sus4。
f:id:naokichi1006:20170223122110j:plain

”Csus4”と記譜される。 構成音は、C・F・Gで、
それぞれ、根音、完全4度(P4)、完全5度(P5)となる。 Cメジャーの長3度を半音上げた完全4度に変えた和音で、
その音は独特の浮遊感と形容される。

Cメジャーに解決しやすかったり… ドミナント7の前に使われて云々…
とか言う話はコードの役割を勉強したらしよう。


んー、覚えることばっかでめんどいけど、
結局このあとダイアトニックコードとかコードの機能について話すなら、
ここで網羅しとかなきゃいけないわけだし…。
そもそも、まだ四和音に触れてないんだよね、それがやばいよね。

度数

おしながき


度数

音程(インターバル)の大きさは「度数(degree)」で表され、
全音程・長音程・短音程・増音程・減音程の5種類に大別される。
2つの音の間を音階的に埋め、そのすべての音を数えることで「度数」がわかる。

たとえば、
以下の2音は、間を音で埋めてすべての音を数えると3つあるため、3度である。 f:id:naokichi1006:20170222123255j:plain 例として、Cの音を基準にした場合は以下のようになり、
全音程には1度、4度、5度、8度、
長・短音程には2度、3度、6度、7度が含まれる。 f:id:naokichi1006:20170222125439j:plain

臨時記号がある場合
以下はどちらも1度である
(が、音としては明らかに異なる2音なため、後述の増音程・減音程で表す)。 f:id:naokichi1006:20170222131608j:plain

全音

全音程には1度、4度、5度、8度が含まれ、
それぞれを完全1度完全4度完全5度完全8度という。 f:id:naokichi1006:20170222152900j:plain それぞれの音程の大きさを見ていくと、
完全1度は、同音
完全4度は、譜面上で音が4個分離れていて、5半音分離れている
完全5度は、譜面上で音が5個分離れていて、7半音分離れている
完全8度は、譜面上で音が8個分離れていて、12半音分離れている(1オクターブ)
と、なっていることがわかる。

余談1 半音◯個という表現について
ここでは、完全音程の音程を

“譜面上で音が◯個分離れていて、△半音分離れている”

と回りくどい書き方したけど、 これには理由があって。

  • 純正律では、音程は半音の個数でなく、周波数比によって決められている。

  Cの周波数を1とした場合、それぞれの周波数は
  C(完全1度)は 1
  D(長2度)は 9/8
  E(長3度)は 5/4
  F(完全4度)は 4/3
  G(完全5度)は 3/2
  A(長6度)は 5/3
  B(長7度)は16/8
  C(完全8度)は 2 となる。

  この結果、C-D間の音程は 9/8 、D-E間の音程は 9/10 など、
  同じ全音でも、
  大全音・少全音と呼ばれる その間隔が異なる2種類の全音が生じる。

  また、全音階的半音と呼ばれる E-F間・B-C間の半音は 16/15 、
  半音階的半音と呼ばれる 臨時記号により生じる半音は 25/24 など、
  半音に関しても、異なる2種類の半音が生じる。

  そのため、C-E間とF-A間などは、音の開きはどちらも4半音だが、
  周波数で見ると異なっていることになる。

  例えばC-E(長3度)とC-F♭(減4度)など
  4半音で表される音程は2つあるので(異名同音程という、後述)、
  音程を表す際に、半音◯個や全音△個と書くと、
  純正律以外の場合でも、不都合が生じてしまう。

だから、半音◯個って書き方は多分あんまりよくないよね?
っていう、不安が書かせた余談。


長音程、短音程

長・短音程には2度、3度、6度、7度が含まれ、
それぞれ長◯度短◯度という。

長音程の例 f:id:naokichi1006:20170222152912j:plain 短音程の例 f:id:naokichi1006:20170222154338j:plain それぞれの音程の大きさを見ていくと、
短2度は、譜面上で音が2個分離れていて、1半音分離れている
長2度は、譜面上で音が2個分離れていて、2半音分離れている
短3度は、譜面上で音が3個分離れていて、3半音分離れている
長3度は、譜面上で音が3個分離れていて、4半音分離れている
短6度は、譜面上で音が6個分離れていて、8半音分離れている
長6度は、譜面上で音が6個分離れていて、9半音分離れている
短7度は、譜面上で音が7個分離れていて、10半音分離れている
長7度は、譜面上で音が7個分離れていて、11半音分離れている
と、なっていることがわかる。


増音程、減音程

ある音程に臨時記号#や♭が付いて
音程が増えたり、減ったりした場合、
増◯度減◯度という。

具体的には、
全音程 or 長音程に#がついた場合は増音程
全音程 or 短音程に♭がついた場合は減音程になる。

・増音程の例
以下の例で、音程差を見てみると
CとC#は、増1度(完全1度に#がついて音程が"増えた")
CとE#は、増3度(長3度に#がついて音程が”増えた”)…など f:id:naokichi1006:20170222163314j:plain

・減音程の例
同様に、以下の例で、音程差を見てみると
EとF♭は、減2度(短2度に♭がついて音程が”減った”)
EとA♭は、減4度(完全4度に♭がついて音程が”減った”)…など f:id:naokichi1006:20170222170614j:plain

例外的に、
完全1度に臨時記号が付いた場合は#・♭に関わらず増1度となる。
これは、もともと音程が0だった完全1度に臨時記号がついたことで
音程が”増えた”からである。


転回音程・補完音程

C-Eの音程(長3度)で、
Cを1オクターブ上げてEを基準にCとの音程を見ると短6度になる。
f:id:naokichi1006:20170222174619j:plain このように、
どちらかの音程を1オクターブ上げる or 下げることでできる音程を
転回音程という。

全音程の転回音程は、全音
長音程の転回音程は、短音程
短音程の転回音程は、長音程
増音程の転回音程は、減音程
減音程の転回音程は、増音程になり

また、◯度の転回音程 △度では、◯+△は必ず 9 になる。 f:id:naokichi1006:20170222182436j:plain このとき、
元の音程と その転回音程を合わせると、その中に1オクターブができる。
このような音程の関係を補完音程という。


単音程・複音程

音程が1オクターブに収まるものを単音程
9度や11度など、収まらないものを複音程という。
f:id:naokichi1006:20170222212138j:plain 複音程は、
オクターブ+ ◯度としても表すことができ、
△度はオクターブ +(△−7)度で表せる。
例えば、9度は オクターブ + 2度(9−7 = 2)である。


異名同音

CとE(長3度)、CとF♭(減4度)を比べてみると、
どちらも同じ音の開き(ここでは4半音)で、
鍵盤でみると、どちらもCとEを押すことになるが、音程の名前は異なる。

このように、
音程の中には、異なる名前を持つが、
実際は同じ音の開きのものが多々ある。

このような音程を異名同音といい、
異名同音程があるため、◯半音=△度と一概に言えないのである。

余談2 異名同音程となる2つの音程の使い分け

嬰ヘ短調の導音がいい例。
嬰ヘ短調(F#短調)の調号は#3個(五線上に#が3つある)で 、
F、G、Cに#がつき、
その自然的短音階長音階の3度・6度・7度を半音下げて作られた音階)は
F#、G#、A、B、C#、D、Eとなる。

一方、
主音(この場合F#)の短2度(1半音)下の音、
つまり"主音から見た長7度の音"を導音というが、
自然的短音階には長7度音が存在しないため、
短7度の音に#をつけて長7度として導音とする
(自然短音階の7度を半音上げた音階を和声的短音階という)。

したがって、
嬰ヘ短調における導音はE#となる。

ここで、E#とFは同じ音で、主音F#から1半音下の音であるが、
F#-E#は長7度なのに対し、F#-Fは減8度になり、
主音から見た長7度の音を導音とするなら、
この嬰ヘ短調の導音はE#としなければならない

っていう、
異名同音程の使い分けと、E#とF♮の使い分けを一緒にやったら、
これ余計よくわからなくなりそうだな、っていう余談。




わー、度数だけでこんなたくさんになってしまった
けど、このあと和音やるならここはちゃんとやらなきゃならないよね(自分に言い聞かせ)。